複合機の使用年数なんて数えたことない・・・そんな方が多いかとは思います。「気が付いたら耐用年数を過ぎていた。」という話も聞かれます。複合機は精密機械ですので、他の電子機器と一緒で永久に使い続けることはできません。長期間使用し続けると、経年劣化のため部品の摩耗による故障が発生したり、修理したくても部品自体の生産が終了してしまったり、トラブルが多くなります。長い期間使い続けると複合機の管理者様は、「そろそろリースの期限だから買い替えよう。」「年数がかなり経っているそろそろ買い替えるか。」と考えます。そこで今回は複合機の使用年数(買い替えのタイミング)についてご紹介したいと思います。

■複合機の寿命は何年?

複合機の寿命は何年?複合機の寿命は、一般的に法定耐用年数が5年前後と言われています。法定耐用年数とは、税法上で決められている機器などの寿命を指す言葉です。国税庁ホームページによると複合機は「事務機器、通信機器」に該当し、法定耐用年数は5年と定められています。 何十年も使用している複合機は使用年数とともに部品が劣化し、使用できなくなる可能性があります。

一般的に考えられている複合機の使用期間は5年ですが、使用頻度が多いか少ないかで使用期間は変わります。複合機はおおよそ5年という年数で300万枚の印刷を想定されています。使用頻度が非常に高く早い段階で300万枚に到達した際にも、複合機の寿命と判断される場合もあります。

メーカーとしては法定耐用年数まで保証しているものではありませんが、実際には法定耐用年数の5年以上使用できる場合があります。リース契約する場合も、3~6年となる場合がありますが、5年での契約が一般的です。

また、中古複合機を購入する場合も、新品の50%を超える金額であれば、法定耐用年数が適用されます。購入金額が新品購入額の50%以下なら、購入した日を1日目として、残りの耐用年数を見積もることになります。

■減価償却

減価償却は、資産は時間の経過とともに価値が減って行くという考え方です。時間が経っても価値が減らないものには適用されません。複合機のような精密機械の場合、時間が経つにつれて経年劣化が起こるものなので、減価償却の対象となります。耐用年数に応じて分割し、年度ごとに少しずつ計上します。

たとえば、100万円の複合機を購入した場合、支払総額は100万円だったとしても、一気に経費計上せず、費用を毎年20万円ずつ分割して5年間の経費にする、というルールが「減価償却」となります。

■複合機の入れ替え時期、タイミングは?

その1 リース満了時

会社に導入される複合機の多くはリース契約を結んでいると思われます。リース契約は、ユーザーが選択した複合機をリース会社が購入し、そのユーザーに対してリース会社が「賃貸」する取引です。契約が満了したら複合機をリース会社に返却しなければなりません。リース契約ではリース会社がユーザーに代わって商品を購入しているからです。返却すると複合機が使用できなくなるため、業務に支障が出てしまうため、最新機種に替えてリース契約を済ませておくことが重要です。このようにリース契約を繋いでいくことが、複合機を替える一番のベストタイミングと言えます。

その2 耐久年数を超えた時

複合機は長期間も使用し続けていると、上手く給紙できなくなり、一気に2~3枚給紙されたりします。ローラー部分に溜まる埃が原因で、そのまま放置しておくとローラーのゴム部分が余計摩耗して不具合が起きてしまいます。特にメンテナンスを怠った場合、そのタイミングが早めにやってくる可能性があります。このように複合機の稼働や部品に限界がきてしまうと、スムーズに印刷ができなくなります。複合機を(リースではなく)購入している方は、リース満了といったきっかけがないと耐久年数に気付かず長期間使用しがちなので注意が必要です。複合機の補修用性能部品(製品の機能を維持するために必要な部品)のメーカー保有期間は、その機種の製造打切り後7年間と決まっております。メーカー保有期間を超えてしまって故障すると、代替部品が無いため修理が不可能になり業務に差し支えることになります。代替部品のメーカー保有期間を超えてしまうほど複合機を長期間使用している場合は早めに買い替えを検討された方が良いでしょう。

その3 頻繁に故障する時

頻繁に故障する時業務によって、複合機を使用する頻度は変わります。月間印刷枚数をひとつの目安に、枚数が多いか少ないかでご案内する複合機の機種が異なります。契約時に毎月どのくらいの印刷をするのか、精査してから契約を結ぶことで、耐用年数を迎える前に故障してしまわないようにすることが大切です。使用頻度に適していない複合機を購入したことで、故障を繰り返してしまい、メンテナンス費用がかさんでしまうとそろそろ買い替えるタイミングということになるのです。

その4 新機種が発売された時

新機種が発売された時各メーカーから新しい複合機が続々と発売されています。リース会社は、リース契約時点での最新機種を提示してくれます。最新の複合機は省エネに気を遣った機種や、ペーパーレスに積極的な機種も揃っております。長らくリース契約で使用している場合、新しい機種が出ると魅力的に感じることと思います。また、業務に合った機能が搭載された複合機は、業務の生産性も高まります。まさに新品の複合機に替えるタイミングです。企業の都合やリース満了時でなく、業務の都合で新機種の新品の複合機を購入するのもいいタイミングの一つと思われます。

■複合機を長く使用するために

複合機・コピー機の寿命をより長く使用できるように以下5つのポイントをご案内いたします。長く使って、コスト削減に繋げましょう。

その1 定期的なメンテナンス

複合機は、定期的にメンテナンスを行うことで長持ちします。一見きれいに見えても、ほこりやインクなどにより内部・外部が汚れます。
定期的なクリーニングを心がけ、各パーツをお手入れしましょう。本体の周り、スキャンする台(フィーダー)、原稿を置くガラスの読み取りエリア、ローラー(給紙ローラーや原稿送りローラー)、操作パネル部など等です。難しいようでしたら保守契約をしているベンダーに相談しましょう。

その2 設置環境への配慮

複合機は精密機械なため、適切な場所に設置しないと、気候条件やオフィス内の環境によりダメージを受けてしまいます。
・直射日光が当たる、暖房器具の近くにあるなど、高温になる場所には設置しないようにしましょう。30℃以下の環境に設置するよう心がけましょう。
・加湿器の近くなど湿度の高い場所は避けましょう。湿度が高いと印刷用紙が水分を含んでしまい紙詰まりトラブルを起こしやすくなり、故障につながることもあるため要注意です。
・ほこりが多い場所も避けましょう。コンセントとプラグの間にほこりがたまり、湿気を帯びて漏電・発火する危険や、その他様々なトラブルの原因となります。
・水平でない場所への設置は機械内部や機械本体が不用意に動いてしまうなどのトラブルの原因となります。また段差がないところに設置しましょう。
・周りに十分なスペースがある場所に設置しましょう。余裕をもってメンテナンスができるようにすることが大切です。

その3 正しい方法で印刷する

正しい方法で印刷メーカーが規定する正しい印刷用紙で正しく印刷することが大切です。推奨されていない厚さの用紙など規定外の用紙は避けましょう。また、既定の用紙を使用する場合でもPCにおいて正しい印刷設定にすることが大切です。設定を間違えて機器内部に汚れに繋がるのは避けましょう。

その4 主電源は落とさない

主電源を落とさないようにしましょう。使っていないときは、節電のために主電源を切りたいと思われがちですが、切らない方が良いです。電源のオンオフの繰り返しは故障の原因になります。また、コピー機(複合機)にはある程度湿気を防ぐための機能も内蔵されており、電源を切るとでこれらの機能が作動しなくなり、より湿気のダメージを受けやすくなってしまいます。すると前述のように湿気による故障にも繋がります。主電源を落とすとCS Remote Care 遠隔診断システム(CSRC)を採用しているコニカミノルタではトラブル発生時に適時対応を行えなくなります。一般的に複合機は電源を切らない状態で使用することを想定されています。主電源を切るのではなく、スリープモードを使用しましょう。

その5 定期的に印刷を行う

定期的に印刷を行う定期的に印刷をしましょう。印刷枚数が多いと寿命を早く迎えますが、使用を控えるのもリスクです。複合機のトナーは、使わない期間が長いと固まってしまいます。固まると印刷不良の原因になるだけでなく、早いタイミングでトナーを交換しなければならなくなります。不必要な部品修理は避けましょう。

■まとめ

特に問題が発生しなければ、元気よく動く複合機は、実は精密機械であり耐用年数や代替部品のメーカー保有期間が決まっています。なので日頃からメンテナンスを施し、出来るだけ長く使用できるようにすることが大事ですが、上記買い替えのタイミングになりましたらたら買い替えることにしましょう。