社内で提案書やマニュアル、会議資料を冊子にまとめたいと考えたとき、「外注するほどではないが、手作業では手間がかかる」と感じる場面は少なくありません。コピー機の製本機能を使えば、印刷・折り・ホチキス留め(ステープル留め)までを社内で完結でき、資料作成のスピードを高められます。

ただし、コピー機製本には向き・不向きがあり、すべての冊子制作に適しているわけではありません。当記事では、コピー機の製本機能でできることと限界を整理し、社内製本と外注をどう使い分けるべきか、その判断軸と機種選定のポイントを解説します。

コピー機でできる「製本」とは?基本的な考え方

コピー機でいう製本とは、印刷後の用紙を自動で折り、ホチキス留めなどの後処理を行い、冊子状に仕上げる機能を指します。手作業での綴じや並べ替えを必要とせず、オフィス内で簡易的な冊子を完結できる点が特徴です。

主な用途は会議資料、社内マニュアル、小冊子などの業務用資料です。一般的には50部前後までの少部数運用に適しているとされますが、機種やフィニッシャー性能により対応可能部数は変動します。一方で、厚物冊子や高級感を重視する印刷物には対応が難しく、印刷会社への外注と使い分ける前提が重要です。

コピー機製本は、外注を代替する手段ではなく、スピードと柔軟性を生かして業務効率を高めるための機能として位置づけると理解しやすくなります。

コピー機の製本機能の概要

コピー機の製本機能は、印刷後の折りやホチキス留めといった後処理を自動で行い、簡易的な冊子を社内で作成するための機能です。角ホチキス留めや中綴じ、折り処理を組み合わせることで、会議資料や小冊子を一連の操作で仕上げられます。

操作画面から製本方法や綴じ位置を選ぶだけで処理が完了するため、ページ順や向きを間違える心配もありません。手作業に比べて準備時間を短縮でき、日常業務の効率化に役立つ点が特徴です。

製本対応にはフィニッシャーが必要

コピー機で中綴じや折りなどの製本処理を行うには、フィニッシャーと呼ばれる後処理装置が必要です。フィニッシャーには本体に内蔵されるタイプと、外付けで機能が拡張されるタイプがあり、対応できる製本方法や処理枚数が異なります。

ステープル枚数や紙の厚み、排紙容量の差によって、少部数向けか大量処理向けかが分かれます。冊子の作成頻度や部数を踏まえて選ぶことで、無駄のない運用につながります。

コピー機で対応できる主な製本方法

コピー機の製本機能にはいくつかの種類があり、用途によって適した方法が異なります。ここでは、業務でよく使われる代表的な製本方法を確認します。

中綴じ製本(ホチキス留め)

中綴じ製本は、会議資料や簡易マニュアルなど、社内で配布する冊子に適した製本方法です。二つ折りにした用紙の中央をホチキスで留める仕組みで、ページ構成は自動で調整されます。両面印刷から折り、綴じまでを一連で処理できるため、製本作業の手間を抑えられます。

内容に修正が入ったときも、すぐ再印刷して新しい冊子を用意できます。操作もシンプルで、製本作業に慣れていない担当者でも取り入れやすい方法です。

ただし、扱いやすいページ数は12~60ページ程度で、厚くなりすぎると綴じ部分が不安定になりやすいため注意が必要です。

二つ折り(折りのみ)

二つ折りは、ホチキスを使わずに用紙を半分に折るシンプルな方法です。A3用紙を両面印刷して折るだけでA4冊子になり、軽く仕上がります。

中綴じに比べ耐久性は低いため、長期保存や頻繁な閲覧を想定する資料には不向きですが、ページ数が少なく一時的に配布する資料や見た目重視の用途には適しています。そのため、会社案内やイベント用チラシなど、短期利用の配布物で活躍します。

用紙枚数が少なくコストを抑えやすい反面、ページ数は偶数にそろえ、折り目付近のレイアウトに余裕を持たせる工夫が必要です。

そのほかの後処理(パンチ・Z折りなど)

コピー機のフィニッシャーには、製本以外にもさまざまな後処理機能があります。パンチ穴開けは、資料をバインダーで管理しやすくする処理で、書類整理の効率化に有効です。

Z折りや三つ折りは、長い書類をコンパクトにまとめる方法で、封筒への封入作業を想定した帳票に適しています。角丸加工は、手に触れやすい配布物の安全性を高める後処理で、やわらかい印象を与える点も特徴です。

こうした後処理を組み合わせることで、コピー機は印刷だけでなく、資料整理や配布準備まで担える存在となります。

コピー機製本で「できること・できないこと」

コピー機製本は便利な反面、すべての冊子制作に向いているわけではありません。対応できる範囲と限界を理解しておくことで、無理な内製や不要な外注を防げます。

ここでは、コピー機製本の得意分野と注意点を整理します。

コピー機製本でできること

コピー機製本は、少部数かつ短納期の冊子づくりに強みがあります。特に5~30部程度であれば、その日のうちに完成させやすく、商談前の資料準備や社内配布に向いています。修正が発生しても、原稿を直してすぐ再出力できるため、内容の鮮度を保ちやすい点も利点です。

試作用のパンフレットや社内向け資料では外注費を抑えやすく、機密情報を社内で完結できる安心感も得られます。スピードと柔軟性を重視する場面で、コピー機製本は有効な手段です。

コピー機製本では難しいこと

一方で、コピー機製本には物理的な制限があります。100部を超える印刷では作業時間が長くなり、機械への負荷も大きくなります。ページ数が多い冊子では、ホチキス留めの不具合や折れが発生しやすくなります。

光沢加工や箔押しなどの高級仕上げ、リング綴じやハードカバーといった特殊製本も対応できません。厚手の紙や特殊素材は給紙不良を起こしやすく、用紙選択にも注意が必要です。

品質や表現力を重視する場合においては、明らかに外注が適しています。

コピー機製本と印刷会社への外注の違い

冊子制作は、社内製本と外注を使い分けることで、コストとスピードの両立が可能になります。両者の違いを把握しておくと、用途ごとの判断がしやすくなります。

ここでは、コピー機製本と外注印刷それぞれのメリット・デメリットを比較します。

社内製本(コピー機)のメリット・デメリット

コピー機を使った社内製本の強みは、スピードとコストの軽さにあります。原稿データを修正してすぐ出力できるため、商談直前の誤字修正や内容差し替えにも対応しやすく、提案資料の鮮度を保てます。少部数であれば外注より費用を抑えやすく、機密資料を社内で完結できる点も安心材料です。

一方で、色の再現性や紙質には限界があり、見た目を重視するカタログには不向きです。部数が増えると作業時間や機械負荷が大きくなり、結果的に効率が下がる点には注意が必要です。

■コピー機製本が向いている冊子例

社内マニュアルや会議資料などの、更新頻度が高く少部数で配布する冊子に適しています。研修テキストやプロジェクト資料も必要な人数分だけ用意でき、余剰在庫を抱えません。

試作用パンフレットでは、色みや構成を確認しながら即座に修正でき、商談の流れを止めずに提案できます。スピードと柔軟性を重視する冊子は内製が効率的です。

印刷会社に外注するメリット・デメリット

印刷会社への外注は、仕上がり品質の高さが最大の魅力です。色の表現や紙の質感、特殊な製本加工まで対応でき、企業イメージを伝える冊子づくりに適しています。大量部数では1冊あたりの単価が下がり、コスト面でも有利になるケースがあります。

ただし、入稿から納品まで一定の時間がかかり、急な修正や即日対応は難しくなる点に注意が必要です。少部数では1冊あたりの費用が高くなりやすく、試作や社内配布目的では割高に感じやすい点も把握しておく必要があります。

■外注を検討したほうがよい冊子例

営業用カタログや会社案内など、色の再現性や紙の質感が印象を左右し、品質や見栄えが重視される冊子です。周年記念誌のようにページ数が多く長期保存を前提とする冊子も、製本強度が重要になります。

大量配布する販促物では単価を下げやすく、高級提案書では特殊加工による付加価値を出せます。対外向けは外注が安心です。

フィニッシャー付きコピー機を選ぶ際のポイント

コピー機で製本を行うには、フィニッシャーの仕様が重要な判断材料になります。対応できる製本方法や処理能力は、フィニッシャーのグレードによって異なります。

以下に、導入前に確認すべきポイントを整理します。

フィニッシャーのグレードによる違い

フィニッシャーはグレードによって、対応できる製本方法や処理能力が異なります。

グレード対応できる製本処理能力目安対応紙質想定利用規模
基本グレード角ホチキス・穴開け~30枚標準コピー用紙月50冊未満
中級グレードホチキス・Z折り~50枚やや厚手まで月100冊前後
上級グレード中綴じ・三つ折り中綴じ60ページ程度光沢紙・厚紙月300冊以上

自社の製本頻度や冊子の用途に近いグレードを基準に選ぶことで、過不足のない構成を組みやすくなります。

製本頻度・用途から考える選定基準

フィニッシャー選定では、製本の頻度と冊子の用途を基準に判断することが重要です。

製本頻度別の選定目安を以下にリストアップしました。

製本頻度・用途適した構成
月30冊未満・社内資料中心基本グレードで十分
月50~200冊・会議資料や社内報中綴じ対応モデル
月300冊以上・販促物試作上級グレード

製本ニーズに合ったコピー機選びが重要

製本機能を生かすためには、現状の業務内容に合ったコピー機を選ぶことが欠かせません。機種や構成を誤ると、使いにくさや無駄なコストにつながります。

最後に、製本用途を踏まえたコピー機選定の考え方を整理します。

現状のコピー機で対応できるかを確認する

製本機能を活用したい場合、まず確認すべき点は、現状のコピー機が業務内容に対応できているかどうかです。特に、次のような仕様差は製本作業のしやすさに直結します。

  • フィニッシャー仕様

ステープルのみ対応の機種では、中綴じや折り製本は行えません。冊子用途がある場合は機能不足になりやすくなります。

  • 排紙トレイ容量

容量が少ないと、製本途中で取り出し作業が頻発し、作業の流れが止まりやすくなります。

  • 用紙対応力

光沢紙や厚紙の給紙が不安定な場合、販促資料や提案書の内製は難しくなります。

過去数カ月の製本実績を整理し、処理能力や仕様が業務量に合っているかを見極めることが、無理のない運用につながります。

コピー機屋さん.comに相談するメリット

製本用途に合ったコピー機を選ぶには、機種性能と運用実態を踏まえた判断が必須です。コピー機屋さん.comでは、製本頻度や冊子の種類、紙質や部数を丁寧にヒアリングした上で、最適なフィニッシャー構成を提案できます。

特定メーカーに偏らず複数社を横断して比較できるため、条件に合う機種を客観的に検討でき、既存機の診断や総コスト試算も行えるため、入れ替えと増設の判断を誤りにくくなります。実務に合った選定を進めたい場合には心強い相談先です。

まとめ|コピー機製本は「内製と外注の線引き」が重要

コピー機の製本機能は、社内資料や少部数冊子をスピーディーに内製できる便利な手段です。一方で、ページ数や部数、仕上がり品質によっては外注のほうが適している場面もあります。

重要なのは、すべてを内製または外注に寄せるのではなく、用途ごとに線引きを行うことです。製本頻度や資料の役割を整理した上で、フィニッシャー構成や機種性能を見極めることで、無駄なコストや作業負担を抑えられます。

製本用途に合ったコピー機選びで迷う場合は、ぜひコピー機屋さん.comにご相談ください。